連行先は近くにあった準備室。
今はあまり使われていないらしく、古い資料がいくつも積まれていた。
「ホコリくせぇ…」
「自分で連れてきたくせに…」
灰色の空気の中に2人。
普段ここには誰も来ないから、本当に2人きり。
密室。2人きり。
2つのキーワードに思わず身構えてしまう。
「あー…奈緒ちゃんてば変な想像しちゃってる?」
「し、してないっ!!」
「ふぅーん?」
多分真っ赤になっているあたしを見て直は笑ってる。
なんか、よく分かんないけど…エロい。
オーラっていうか、フェロモンっていうか…
得体の知れない何かを持ってる。
ホント何考えてんのよ、この悪魔は…!!


