「ぎゃーって酷くない?」 「だって急に話しかけるからっ…」 ああ…どうしよう… 目が見れない。 あたしってば何で緊張してんの?! 「あれ…覚えてるよね?」 「え?」 皆が準備に取り掛かって動き始めてる。 それなのにあたし達は固まったまま。 「あれだよ、あれ」 「何?あれって」 ドキドキがだんだんイライラに変わってくる。 早く言ったらいいじゃん。 本当は一刻も早くこの場から逃げ去りたいくらいなのに。 目の前に直がいて、あたしだけを見てて、なんて。 心臓がもたないよ…