「…な、お…?」 胸がうるさく鳴る。 聞こえて、ないよね? 「…ヤだったんだよ。奈緒のそんな可愛いカッコ…他の奴に見せたくない」 「え…?」 その唇から出てきたのは思いもしなかった言葉で。 拗ねたように言う直があんまりにも可愛くて。 直の腕をきゅっと抱きしめた。 「あたしだって…直が囲まれてるの見るの…ちょっと、嫌だったよ?」 あたしの意思に背いて、やけに素直に出てくる想い。 林檎みたいに赤くなった頬を隠すために顔を直の胸にうずくめた。 「もー…奈緒ちゃん、可愛すぎ…」