「これってメイド?…めちゃくちゃ可愛いんだけどっ!!」
頭の上にのっているリボンに触れながら、最高に可愛い天使は言った。
その顔は確かに笑ってる。
裏を知っている身から見ても、嘘笑いではない気がする。
…って、あれ?
今って喧嘩みたいな感じになってたんじゃないの??
気まず~い雰囲気とかさ、ねぇ?
いや、喧嘩したい訳じゃないけど。
ただ、あたしだけ悩んでたのかと思うとすごく悔しい。
あれを普通だと思ってるんだ、コイツは。
そう考えたらどうしようもなく悲しくなってきた。
「…っ」
それでもコイツの前で泣くのはもっと悔しい。
だから奥歯を強く噛んで涙を堪えた。


