「…会……長…っ」 シャツを強く握りしめた。 すると会長の腕があたしを彼の肩へと引き寄せる。 「嫌やなぁ…」 「…っ?」 直より少し低い声があたしに何かを投げかけているように聞こえた。 「嫌…ってか哀しなるわ」 でもあたしにはそれが何なのか察することは出来なくて。 「芦屋がアイツの為に泣くんも、それを俺じゃ拭えんことも。」 あたしなんかより、ずっと苦しそうな声だった。 あたしがこんなに優しい人をこんなにも苦しめてるんだ。 でも… それでも、あたしは…っ