「意味、わかってんの?」 「わかるよ…っ」 嘘。 全然わかんない。 直が何を隠しているのかも。 直が何考えてるのかも。 もう何もかも分からない。 知りたいのに、聞きたいのに… うまく…言えない。 「教えてやんねーから」 「え?」 「奈緒の知りたいこと。言うつもりないから」 そう言ってまたいなくなる。 あたしは固まったまま。 足の力を奪われて、その場にぺたりと座り込んだ。 「意味、わかんないよ…」