世界は茜色。 紅葉と銀杏が対立しながらも仲良く調和している。 綺麗な葉がヒラリと舞い散った。 あたしはそれを呆け眺めていた。 「奈緒ー…」 教室は変わらず賑やかさを保っていた。 「奈緒ってば!!」 「…ぇ、な、何!?」 耳の奥がキーンと鳴っている。 莉奈が耳元で大きい声出したから。 「もぉ…何アホみたいな顔してんのっ」 ちょっと莉奈さん。 アホみたいな顔って… ひどすぎやしないですかい。