「とりあえず俺は直が大嫌いっちゅーことやな♪」 笑ったまま、会長はさらりと言った。 前で腕を組んでいるから、自慢してるみたい。 いきなり目の前の影が動いた。 「あっ、直!!」 スタスタと足を進める直。 呼ぶと直は少し止まって、 「おい変態野郎。俺の奈緒に手ェ出すなよ。」 振り向きもせず、それだけ言い放ってその場を去った。 “俺の奈緒” その言葉にあたしは頬を染めた。 「なんやアイツ…」 不思議そうに顔をしかめる会長。 ふたつの影がくっきりと白い壁に浮かんだ。 残るは少しの熱と謎。