思わず大声を出して立ち上がってしまった。
まっすぐに転校生をさした指を慌ててひっこめる。
「あ、今朝の子!」
あっちも気付いたようで声をあげた。
途端に恥ずかしさが込み上げてくる。
それでも、ひっこみのつかないこの状況。
ここで平然と座る勇気もないまま、硬直し、立ち尽くしていた。
「同じクラスだったんだー!すっげー嬉しい」
やっば。
すごく注目浴びてる気がする。
恥ずかしい…
穴があったら入りたい!
「あ、俺、直!桐谷 直。よろしくね」
とびっきりの笑顔。
心の奥が、きゅん、と音をたてる。
…いや!!
ありえない、ありえない。


