「敬浩、やっと来た!!」
これは
またまた可愛い小岩美穂さんでは。
彼女と共演するんだ。
「お前が早いだけだよ。」
「そんなことないわ。…それで?そちらは?」
彼女は私の方を見た。
その瞬間、敬浩が私の肩を自分の方に押し寄せた。
「俺の彼女。」
「彼女連れて来ちゃって、妬けちゃうな。でも、いいの?」
「何が?」
「今日はキスシーンの撮影だよ。」
「別に大丈夫だろ。」
そう敬浩は言っていたけど、苦しいよ。
私以外の子とキスするなんて、辛い。
でも、ワガママ言えないよね?
仕事でしょ?
私が我慢してなきゃ。
私が応援してなきゃ。
そう思い「イヤだ」という言葉を飲み込んだ。


