お風呂から上がると事務所と電話する敬浩がいて、何だか聞いちゃいけない雰囲気だったから、ドアのとこに隠れた。
「分かってるよ!!」
声筒抜けだよ…
聞かれちゃダメなら外で電話したらいいのに。馬鹿だな。
『今事務所の前にマスコミが沢山いるのよ?どこにいるのッ!!』
「あと少ししたら帰るから。マスコミにもキチンと説明するから。だから……だから、少しの間待っててよ。」
『分かったわ。その変わり…』
「えっ…あー分かった。マスコミ沙汰になることはしねぇ。」
マスコミ沙汰…
私とのこと自体がマスコミにとっては美味しいネタだ。
「分かったよッ!!切るからな。」
少し時間を置いて部屋に入った。
「敬浩…」
「ん?」
「あ、明日はどこ行く?」
「ここのばーさんに聞いたら、隣町にある湖がめっちゃ綺麗らしいぜ。そこでも行くか?」
「うん!!」
マスコミなんて気にしなくていいや!!彼といる今を楽しもう!!今まで沢山我慢してきたんだし、これくらい許されるよね?


