「ねぇ、どこ行くの?」 敬浩に手を引っ張られながら、聞く私に彼は前を見たまま答えた。 「誰もいないとこ。お前とゆっくり、したいから。」 「誰もいないとこなんてムリだよ!」 「ムリじゃねぇよ。」 それから私たちは何本も電車を乗り換えた。 着いたのは何にもない田舎だった。 自然の緑と空の青がくっきりして見えた。