「…俺が行ってる病院、元カノの親父さんがしてる病院なんだ。」

元カノのお父さんの病院…?!

「何で言ってくれなかったの?…何で元カノと一緒に帰るの?」


少しの沈黙が流れた。

「言わなかったのは結衣が気にすると思ったから。…部活後だから診療時間外に行く時もあって、特別にみてもらったりしてる。元カノと一緒に帰るのは、夜女一人で帰らすのは不安だからって親父さんに頼まれたからだよ。」


私のために言わなかった…?!


元カノのお父さんに頼まれた?!


「…何それ…そんなの理由にならないよ。嫌だよ…病院変えてよ…」


泣きそうな声で吏玖に言った。


「…病院は変えれない。」


「何で?元カノがいいの?」


「違う!!!」
吏玖が怒鳴った。


初めて吏玖の怒った声を聞いた私は固まってしまった。


「俺が今、どんな気持ちで毎日いるかわかってる?大会まであと少しなのにケガして焦ってるよ。大事な試合なのにさ。少しでも早く回復させるために行き着けの病院に行ってるんだよ。元カノは関係ない。」


「…でも、私は嫌だよ。どんな理由があっても元カノと一緒に帰ってたりするの…」

「何でわかってくれないの?俺が何のために…!!」


「私と会うより元カノに会いたいの…?」

「そうじゃないだろ!!……俺だって結衣と会いたいよ。でも、今はケガを治すことが大事なんだよ。あーもー…」

吏玖の気持ちわかるけど、嫌なの…