「やっと、結衣って呼べる。」

高梨君がそう言うので、何でか聞いた。

私が高梨君の事を好きになるまで、下の名前で呼ばないし、抱きしめたりもしないって決めてたって。

高梨君も不安だったって。

「俺のことも、“高梨君”はやめて名前で呼んでよ。」

「…吏玖」

そう言うと、高梨君はさらにギュッと抱きしめて、

「まじ幸せ。」
って。

何だか、私も嬉しくなった。