彼氏

美波は続けた。

「矢野先輩、好きな子には話しかけれないタイプなんだよ。で、あんたも積極的じゃないから、うまくかみ合わずにすれ違っていったんだよ。」


「それって…私と先輩って両想いの時期があったってこと？！」
私は驚いて声が大きくなってしまった。

「私も最近この話知ったんだけど、そうみたいだよ。結衣とは部活で気まずくなりたくなかったから何もしなかったらしいよ。彼女と付き合ったのも、似たタイプだったからって…最近部員達の噂になってる。だから、先輩が別れたのをきっかけに結衣に乗り換えるんじゃないかとか、結衣が告るんじゃないかって話題になってるんだよね…」



「何それ…ってか、私が先輩すきだったってみんな知ってるの？！」


先輩の話にも驚いたけど、そっちの方がもっと驚いてしまった。