夕食が終わって時刻は18時半。


「結衣。」
病室のドアが開き、吏玖の顔が見えた。

「吏玖。」

吏玖の顔を見たら、すごく嬉しくなった。

私を見た吏玖の表情は暗く、
「まじ心配した。」
って抱き締めてくれた。

でも、吏玖に抱き締められると嬉しい気持ちとは裏腹に打撲が痛くて…

「イタッ!」

「ごめん。ってか本当に事故るとか勘弁だから。」


「気を付けます。」
吏玖は私の頭を撫でてくれた。

「結衣、右手を出して。」


「ん?何?」

私は吏玖に言われた通りに右手を出した。

吏玖は私の手を取るとポケットから指輪を出して私の右手の薬指にはめた。


「指輪?これ、どぉしたの?」

「誕生日プレゼント。結衣、誕生日おめでとう。」

「今日って11日?!」
吏玖はやっぱりって顔をしながら、

「忘れてると思ったよ。」

って笑った。