「何か情けねぇ…結衣を選手権連れていくのは俺だって思ってたのにさ。逆の結果にしてるし…」


「吏玖のせいじゃないからね…もう私に謝ったりしないで。」


吏玖は私を見て、
「抱き締めていい？」
って聞いてきた。


こんな所で抱き合ってたら誰に見られるかわからないし、いつもならダメって言う私。


けど言えなかった。

だって今にも泣きそうで辛そうな顔の吏玖は初めてで、私から出た言葉は

「うん。」

だった。