美波は高橋君と帰って行った。

泣きじゃくってる美波を高橋君が支えて歩いてる。


部員も暗い顔でそれぞれ帰っていく。


私は必死に泣き止んで吏玖を待ってる。

吏玖にはこれ以上泣き顔を見せたくない。


だって…私より吏玖が辛いに違いないから。


人一倍暗い顔をして歩いてきた吏玖。


「俺のせいで…ごめんね。負けちまった。」


吏玖は私に謝ってきた。

「吏玖のせいじゃないから。ね?帰ろう。」


あの時ファウルをとられたのは吏玖だった。


試合後吏玖はみんなに謝ってた。

けど、みんな吏玖を責めたりしなかった。


「お前のせいで負けたわけじゃない。」
キャプテンの岡崎君が言った。

「お前が自分のせいで負けたと思うなら、来年こそ選手権に行け。俺たちの分まで悔しさを背負って頑張れ。」
って…

吏玖は涙を堪えてうなずいてた。