平岡高との試合が始まった。


昨日とは違って、点がなかなか入らず苦しい時間帯が続いてる。


先生はずっと立ちっぱなしで激を飛ばしてる。


インターハイでも苦戦しただけに、なかなかいい展開がない。

結局前半は無得点。
不安感でドキドキが止まらなくなってきた。


みんなを信じてるけど、この試合で負けたら引退だし…色々複雑な想いが交錯する。


多分私だけじゃない。

隣の美波の顔にも不安が見てとれる。


そんな不安を後半開始早々、消してくれたのは吏玖だった。

後半2分でコーナーキックのチャンスを得た城北高。

関君があげたボールに吏玖がヘディングで飛び込み、先制ゴールが決まった。


「「やったぁ!」」

私と美波は飛び上がって喜んだ。


もちろん他の部員も応援席も歓声が上がった。

「吏玖君、カッコイイ!」

黄色い声援…

点が入って嬉しいけど、吏玖のファン増えたに違いないから複雑…

でも、嬉しい気持ちが勝ってる。


結局、その1点を守りきった城北高は決勝進出を決めた。