「メールしてくれたら俺が結衣のとこ行ったのに。」


「体育科行くの慣れた方がいいかなって思って…ごめんね。迷惑だったよね。」

「迷惑じゃなくてさ、体育科はエロの集団だから結衣を見せたくないんだよ!結衣のこと好きなやつとかもいるしさ。」

「それはあり得ないから。って言うか、‘姫’って何?!私の事だよね?!」

「…あれは…うん。結衣のこと。」


「何で?何で‘姫’なの?!姫ってキャラじゃないのに恥ずかしすぎるんだけど!吏玖が言ったの?!」

私の言葉に気まずそうな顔の吏玖。

少しシュンってしながら
「…ごめん。一回だけ結衣の事、‘俺の姫’って言ったら、あいつらの中で‘姫’が定着しちゃってさ。やめろって言ったんだけど、今更違う呼び方出来ないって言うしさ。まぁ結衣は俺の‘姫’なんだからさ。」
って。


「…けど恥ずかしすぎる。」


「まぁまぁ…。で、結衣の見せたいものって?」


はぐらかされた気分だけど、私は吏玖に合格通知を見せた。

吏玖はすごく喜んでくれた。

「お祝いしたいけど、選手権終わってからな。…次は俺が頑張る番だし。結衣に最高のプレゼント渡さなきゃだしな!」

「うん。頑張ろうね。」


あと4日で選手権が始まる。


私にとって最後の選手権が始まる。