「ならいいんだけど…」

私は私なりに頑張る。

何を言われても、悩んで立ち止まるわけにはいかないんだよね。


土曜日。

吏玖には美波と帰る事を伝えた。

思ってたより早く、文字鶴を完成させることができた。


入部したての頃は鶴を作るのが遅くて、
不器用な私の鶴は何となく不恰好に見えた。


それが3年間で、鶴をスピーディーで綺麗に織れるようになった。

あの頃は想像もできなかったな…


「これが、うちらが作る最後の鶴になるんだよね。」


「そうなんだよね。…何か寂しくなってきたじゃんか。」

美波の目が涙目になってて、私も思わず泣きそうになってしまった。