でも困ったことに一緒に回る友達がいない。


だから午後がスタートしても、なんとなくそのままクラスに残っていた。



「結衣、浴衣似合うね。」


後ろからの声に振り向くと吏玖がいた。

「どうしたの?佐野君達と回るんじゃなかったの??」


「さっき、麻美さんに会って、‘結衣をお願い’って言われたんだよ。俺も一緒に回りたかったし。行こうか!」


吏玖は私の手を引き連れ出してくれた。

若干みんなの注目を浴びてしまったけどね。


「浴衣のままで大丈夫?辛くない?俺はもう少し浴衣姿見てたいけど…」


「ゆっくり歩けば大丈夫かな。」


「そっか、わかった。じゃあ手でも繋ぐ?」


「つ、繋がないよ。」


「言うと思った!いつになったら学校でも手繋いでくれるようになるのか…」


恥ずかしいんだもん。