何となく勉強に集中できないのと、
吏玖の見てないところで男子と仲良く勉強してるのが嫌で、
私は途中で帰ることにした。


麻美は、
「章斗にはちゃんと言っておくから!」
って小声で申し訳なさそうに言った。


けど、その次の日も、その次の日も藤君は私の周りをちょろちょろしてて…


とうとうファンの子達数人に呼び出されてしまった。


「最近藤君の周りでちょろちょろしてるでしょ!何なの、あんた!」


私がちょろちょろ…
逆でしょ!

藤君が勝手に私の周りちょろちょろしてるだけじゃん。


そう言いたいのは山々だけど、言ったら余計に反感買いそうだから言えず…


「何とか言ったらどうなの?」


「あの、私…」


「何してるの?俺の好きな人呼び出して!」


藤君が来てしまった。

しかも、好きな人って言っちゃってるし。


「藤君、綾瀬さんの事好きなの?!」


「好きだよ。だから、いじめるのやめてくれる。今度こんな事したら、ただじゃおかないから。」



ファンの子達は泣きそうな顔で去っていった。