「何で?!好きな人いるの?」


「うん。彼氏がいるんだよね。」


「誰?彼氏いるなんて初耳なんだけど…」


「えっと…」


一応吏玖と付き合ってるのは秘密にしてるし、こういう場合言ってもいいのかな…

言っていいよね…


「サッカー部の後輩の高梨君と付き合ってるの。」


「高梨?体育科の?」

「うん。」


「あいつ、他に彼女いるでしょ。一緒に帰るの見たことあるし。」


知ってるのか…
しかも元カノを彼女だと思ってるって…
やっぱりへこむ。


「もしかして、二股かけられてる?」


「違うよ!私が彼女だよ。」


何を言っても藤君は納得してくれない。
吏玖に対して敵対心むき出しな感じだ。

「俺、諦めないから。そんな適当なやつが彼氏なんて認めない。絶対俺の彼女になってもらうから。じゃあ、またね。綾瀬さん。」


「えっ?ちょっと待って…」


藤君は図書室を出て行ってしまった。

どうしよう…

何かややこしい事になりそう。