マンザイ☆ガール

美加は、いつもあたしの話すことに大袈裟にリアクションした。

たわいもない話に、手を叩いて喜んだり、自分のことのように悲しい顔をしてみたり、
綺麗な顔を色んな形にしてあたしの話を聞いていた。

そして、あたしが冷めた目でクラスの女子を見ている話をすると、
『あたしも一緒のこと考えてた』と悪戯っぽく舌を出す。

あたしが男だったら絶対に美加を好きになる。

実際に美加はよくモテた。
よくクラスの男子から告白されていたし、こうやってお茶なんてしてたら、ナンパされることはしょっちゅうだ。

一応あっちも社交辞令としてあたしにも話しかけるけど、
彼らがあたしに興味がないことはとうの昔に気付いてる。

そのつど美加は美しい社交辞令の笑顔で、彼らを追い返していたが、
その時ばかりはあたしのイチミリだけ残ってる自尊心が少しだけ傷つく。