『じゃぁ、せっかく買ったしキャンドル点けようか。』


そういって、佐藤はアロマキャンドルを点けた。

部屋にバニラの甘い香りが広がる。

佐藤は未來を押し倒し、浴衣の未來は少し抵抗した。

始めは抵抗していた未來も段々快楽に溺れ、激しく佐藤に抱かれた。


気が付くと朝になっていた。

『少し寝ようか。』


佐藤はそういうと、いつものように五秒で眠りに就いた。


『おはよう。』

未來は佐藤に話しかけた。

『今日はハーブ園に行こう。』

佐藤が、次の日も誘うのは初めてだった。未來と佐藤は布引ハーブ園に向かった。

ハーブ園には洋館の作りの雑貨屋、温室などがあった。12月ということもあり、人は少なかった。


花もあまり咲いていなかったが、朝の気候が未來には清々しく気持ちよかった。

未來はふと前を歩く佐藤の手を繋いだ。


その瞬間、未來はなんとも言えぬ幸福に陥った。


そう、未來はこの瞬間、佐藤に恋に落ちたのである。

佐藤は振り返り、照れくさそうに未來を見つめた。