「おまえは光源氏か?」


タカ先輩は突っ込んだ。


「ああ、若紫、ね」


カンジ先輩も相槌をうった。


文学部じゃないけど、私もそれくらいは知っていた。


「ま、せいぜい、自分好みの女に育てるんだな。
気づいたらとんびにさらわれてた、なんてオチにならないようにな」


タカ先輩の意地悪な発言に、リョウ先輩は「フン」とそっぽを向いた。


リョウ先輩、すねちゃった、なんか可愛いかも。


そっかあ。


みのりちゃんって、そういう子なんだ。


二人、うまく行くといいなあ。