シャワーを終えて出てきた沙希ちゃんは冷蔵庫から烏龍茶を持って寝室へ現れた。
薄暗い部屋に浮かび上がる白い肌。
彼女はベッドに腰掛けてる僕の前に真っ直ぐに立ちペットボトルを僕の胸に押し当てた。
冷たい。
そのペットボトルの烏龍茶をゴクゴクと半分位まで飲み、口に含んだ烏龍茶を口移しで僕に飲ませてきた。
それを合図に二人の愛の交換は再び始まった。
部屋中が酸えた汗の匂いと、愛の言葉で充満してゆく。
一回、二回と果てた。
上になり、下になり、何度も何度も―――。
僕は沙希ちゃんの身体に夢中だった。
初めての女の身体に溺れていった。
彼女のあらゆる所に舌を這わせ僕の匂いを染み込ませる。
どれ位の時間が流れて行ったのだろう。
カーテンごしに太陽が傾いていっているのが分かった。
両肘も両膝も舌先さえヒリヒリとした痛みがあった。
沙希ちゃんもぐったりと身体を横たえたまま疲労感の中を泳いでいた。
「お腹すきましたね・・」
「そーだね・・でも起き上がれないよ・・凄いんだもん、勇次君・・」
「そんな事言ったら沙希ちゃんだって・・」
二人でクスクス笑い合う。
僕はベッドから起き上がり、ふらつく足で窓際に近寄るとカーテンを少しだけ開けた。
渇ききった洗濯物が風に揺れている。
洗面所にあったタオルは全部使ってしまっていた。
僕はトランクスだけを申し訳程度に穿き、窓を開け、ベランダへと出て干してあったタオルを二枚取り込んだ。
「シャワー行ってきます」
「あ、あたしも行くぅ」
「ダメですよ。また始まっちゃうじゃないですか」
「え〜、ケチぃ・・」
沙希ちゃんは唇を尖らせて言うとなんとか上半身だけを起こした。
「出たら入るからね」
「お湯張りますからゆっくり浸かって下さい」
「うん。ありがと」
僕は浴室に向かい、バスタブにぬるめのお湯を流し入れた。
シャワーで身体に染み付いた彼女の匂いを落としていく。
ちょっと切ない気持ちになった。
身体のあちこちに赤い花びらがちりばめられている。
シャワーではとても落ちそうにないものだった。
その一つを指でなぞると彼女の唇がまた恋しくなる。

