「みなさまご歓談中失礼します。間もなく新郎新婦、もとい、勇次さんと沙希さんはお色直しへと参ります。みなさまはそのままでご歓談を続けられるようによろしくお願いします」
翔子さんは喋り終えると僕らに合図を送る。
僕と沙希ちゃんが出口に向かって歩き出すと再び拍手が起こった。僕らは愛想を振り撒きつつ出口から会場を後にした。
エレベーターに駆け込み二人で笑った。
「沙希ちゃん、そのままの格好で外に出るつもりですか?」
「しょうが無いじゃない!本当にお色直しさせられるかと思ったんだもん!」
「でも、千尋ちゃんも姉さんも嬉しそうでしたね」
「そうだね。那比嘉会長も翔子さんもみんな楽しそうだった」
「僕ら本当のヒーローとヒロインになれるかもですよ?」
「え〜、あたしは勘弁。普通のお嫁さんが良いや」
「じゃあ、しょうがないから僕が貰ってあげますよ。こんなお転婆さんは他に貰い手は無いと思いますし」
「じゃあ、しょうがないから貰われてあげるよ。勇次くん、あたしがいないと何も出来ないだろうし」
「沙希ちゃん・・」
「勇次くん・・」
唇を重ねようとした瞬間にエレベーターは1Fに到着し、扉が開いた。
ちょうど沙希ちゃんが僕の首に両手を廻した瞬間だった。
エントランスでタクシーに飛び乗り行き先を告げる。
「えっと、どこ行きます?」
「あたし居酒屋『とり蔵(ぞう)』に行きたいな」
「じゃあ、そこまでお願いします。運転手さん」
「はい。かしこまりました」
僕らを乗せたタクシーはホテルのエントランスを抜け出した。
終わり・・・
「勇次くん!まだ終わらないよ!」
「えー・・沙希ちゃん、まだ何かあるんですか?」
「だってまだ200ページいってないじゃん!」
「あ・・本当ですね・・」
「って事で、まだまだ続くよっ!」

