その日は突然やって来た。いや、もしかしたらそう思っているのは私だけで、彼にしてみれば所謂“これも計算のうち”だったのかもしれない。



だとしても、兎に角私にとってはあまりにも突然で唐突で、そして残酷な瞬間だった。




それはほんの数時間前に遡る……――







◆ ◆ ◆


テレビ画面に映るニュースをただ何となくぼーっとしながら見ていた。



毎日毎日、殺人事件だの、事故だの、政治がどうだの社会がどうだの、同じような内容ばかりが延々と流れる。


不幸な話題のニュースばかり報道して何の意味があるのか。人の不幸は蜜の味…、なんて言うけど、そんな人そうそういないんだから。正直飽きたしどうでもいい。



どうせ報道するなら、もっと目出度い話にして欲しい。朝からこんなニュースばかりでは息がつまる。そんなことをぼんやり頭の中で思いながらテレビを見ていた。



そろそろ支度を始めようと、ソファから立ち上がった時だった。ちょうどテレビもCMがあけ、またニュースに移った所だった。