純情恋心


『メールは見たんだけどね、返信する前に充電が切れちゃって……』

不意にそう言った高遠先輩に、返信がなかったメールは、そんなベタな展開のせいだったんだと知って、少しだけ安心した。

よかった、ちゃんと返信する気はあったんだ……。

『……落ち着いた?』

しばらくすると涙も止まり、あたしは次第に平常心を取り戻してきていた。

それと同時に、申し訳なさが一気に襲いかかる。

「っ、ごめんなさい……!! あの、あたし……メール、してしまって……っ」

『え? ああ、いいんだよ。むしろ本当の事を言うとね、那智からメールが来るのをずっと待っていたんだ』

「……っえ?」

頭を下げていたあたしの頭を撫でながら高遠先輩がそう言うから、その言動に驚いてあたしは顔をあげた。

『……ごめんね、俺は那智の気持ちを確かめたんだ』

確かめた、って……どういう意味?

いまいち話を掴めないあたしは、疑問の表情を高遠先輩に向ける。

するとそれに気付いた高遠先輩は、苦笑を浮かべた。

『那智の気持ちが本物か、……信じてはいたけどなんとなく不安だったんだ。だからきっと、本物の気持ちなら連絡をしてきてくれるだろうなって……』

決まりが悪そうにしてそう言う高遠先輩を、あたしは相変わらず見つめていた。

つまり、高遠先輩が一度も会おうとしてくれなかったのは……あたしの気持ちを確かめるため!?

「っじゃあ、もっと早く会う事も可能だったって事ですか……!?」

『そうだね、会いたいって言ってくれればすぐに会いに行った』

なにそれ……、じゃああたしがずっと我慢していた意味って?

ずっと会えなくて不安だった気持ちは、どうしてくれるの……!