「……先輩は、必ずあたしの元へ帰ってくる保証があるんですか……?」

距離を置いて、そのままあたしの事なんてどうでもよくなったりしないのか、不安になる。

問いかけると、高遠先輩はあたしから少し視線を逸らした。

『保証は、ある、……とは言い切れないかもしれない』

「っ、そんな……!」

『でももう君を裏切ったりはしない! ……だから、必ず那智を好きなままでいる』

保証はないと言っているようなものなのに、必ずあたしを好きなままでいる事が出来ると言うの?

高遠先輩の言葉に不安を拭えなくて、あたしが俯くと、顔を上げさせるように頬に高遠先輩の手が添えられた。

『那智は俺の事を好き?』

視線を合わせると、揺れる瞳が真っ直ぐにあたしを捉える。

「はい……っ」

堪えきれなくなった涙が頬を伝うと、高遠先輩の指先が優しく拭ってくれた。

そして高遠先輩も瞳を潤ませて、あたしに微笑みかける。

『俺も、那智が好きだよ。だから本当は、君を幸せにしてあげるために離れないといけない、……でも、もう離れられないくらいに君が好きなんだ……』

優しい微笑みを携えた表情に、一筋の涙が頬を伝うと、高遠先輩はあたしに顔を近付けて……

『約束する、もう君を哀しませたりはしない。でも、……だから少しだけ待っていて』

そう言うとあたしの額に軽く口付けて、もう一筋、頬に涙の跡を残した。


――許し合う心、伝う想い


やっとわかった、高遠先輩のあたしに対する本当の気持ち。

それでも突き付けられたのは、貴方と離れる時間。

でもそれが、幸せな未来に繋がるのなら……貴方が覚悟を決めて戻ってきてくれると信じて、あたしは貴方を待つ……。