「雫、あの転入生と随分、仲良いみたいだね」
廉は歩き出し、慌ててあとを追いかける。
「竜馬くんのこと?」
「そう」
どこかぶっきらぼうの廉。
もう完全に怒ってるじゃん。
「別に仲良くなんてないよ。」
「ウソだ」
「ウソじゃないよ」
「じゃあなんでメアドの交換なんてしてんの?」
「それは、竜馬くんが聞きたいことあるから、って」
「ふ~ん」
自分から聞いたくせになぜか廉は興味なさ気な返事。
「何?!なんか文句でもあるならはっきり言えばいいじゃん!
だいたい転入生と仲良くするのがいけないことなの!?」
痺れをきらしたあたしはついに怒鳴った。
「別に。いいことなんじゃないの?」
でも廉はさっきと変わらない態度。
「もういい!明日から一緒に学校行かないから!じゃあね」
あたしは廉を置いて、家までダッシュ。
まだまだ暑いこんな日に。
しかもこんな真っ昼間にダッシュしたおかげで制服はびちょびちょ。
ホント、サイアク。
そしてあんな意味不明な態度を取る廉もホント、サイアク。


