「……ちょっと!廉?!」
赤外線でメアドの交換が終わると廉はあたしの腕を引っ張り、スタスタと歩いて行く。
なんなの?!
あたしのペースに合わせるつもりは一切ナシなワケ?!
「ねぇ!廉ってば!」
あたしが掴まれているほうの腕をブンブンと振るとやっと廉は止まった。
ってもう学校の外じゃん。
どんだけ急いで歩いたんだろう。
「うるさいなぁ、雫は」
はぁ?!
何それ!
廉が無理矢理引っ張るからでしょ?!
と、言い返そうと思った。
でも
「ねぇ…廉?怒ってる?」
振り返った廉の顔があまりにも怖くて。
って不機嫌丸出しの顔をしてた、って意味だけど。
そう聞くと廉はあたしの腕を離した。
「怒ってる、って言ったら?」
挑発するようなそんな目であたしを見つめる廉。
「いや…別に理由聞くだけだけど…」
あたしは伏し目がちに答える。
ってあたし、なんで伏し目がちになってるんだろう。


