「で、ここをxについて解く。」


「………あってる?」


「うん、正解。

はい、あとの練習問題は自分でやって」


とりあえず例題を廉が解説してくれて、

その下の問題を自力で解くって方法で課題を進めることになった。



「え…無理だよ。

あたし、自力でなんて解けない」


ここ、難しいって分かってる?

廉にとっては簡単かもしれないけど、

あたしにしたらすっごく難しいんだよ?

と、心の中で愚痴る。



「大丈夫。

雫ならできるよ」


何を根拠にあたしなら解ける、って言ってるの?


「無理。できない」


「じゃあ…こうしよう」


そう言った廉はニヤッと笑う。

そしてあたしを真っ直ぐに見つめて言った。



「5問中2問間違えたら雫にキスをする。

どう?これなら一生懸命やれるでしょ?」


…………ちょっと待って。


「ヤだ!そんなの絶対無理!」


「じゃあ…キス、だね。

俺に1つ質問してもキス、するよ?」


「はぁ?!なんで!?」


「え?教えてもらうんだからそのお礼だよ、キスは。」



………自分勝手。

なんなの?!

廉のその突然の俺様的キャラ!

ホント、意味分かんない!!