「あかね、廉くんにベタベタしすぎだと思わない?」
優はそう言って廉にくっついているあかねちゃんを見る。
「何?優。
妬いてんの?」
「そんなんじゃないよ!」
優は必死に否定するけどさ。
あたし、お姉ちゃんだよ?
優のことならなんだって分かるんだから。
我が弟、優は廉を心の底から尊敬している。
いや…今や尊敬を越えて崇拝に等しい。
そんな優はお兄ちゃん子のあかねちゃんと
廉を巡って争っている。
あたしからしたら
何やってんだろ、って感じだけど。
「姉ちゃんこそ、あかねがうらやましいんだろ?
廉くんに堂々とベタベタできてさ」
思わず優をキツく睨む。
「アホじゃないの?
別にあたし、廉にベタベタなんてしたくないし。」
見栄張っちゃって~、優はそう言いながらおかしそうに笑っている。
はぁ…
なんでうちの弟はこんなに生意気なの?


