「レーン!」
適当にブラブラ歩いていると少し高めの声が聞こえて。
「あかね」
廉は振り向きニコッと笑う。
後ろにいたのは優と廉の妹、あかねちゃんだ。
あかねちゃんは猛ダッシュでこっちに走ってくると
その勢いのまま廉に抱きついた。
廉はあまりの勢いに倒れそうになって。
あたしのほうを見て苦笑い。
「廉、なんでこっちの車に乗ってくれなかったの?」
「ごめんね、あかね」
廉は自然な感じであかねちゃんの頭をポンポンとやっている。
あ~あ、なんてお兄ちゃんなんだろう。
頭の中で呟く。
案の定、あかねちゃんは恥ずかしそうに顔を赤くして俯いている。
実は、何を隠そうあかねちゃんはかなりのお兄ちゃん子。
まあ要するに、あかねちゃんは廉が大好きなのだ。
確かに?
あたしから見ても廉は完璧なお兄ちゃんだ。
あかねちゃんには優しいし、
頭はいいし…エトセトラ…エトセトラ…
と、まあそんないいお兄ちゃんの廉。
だけどさ、廉。
なんであたしには意地悪ばっかりするの?
意味分かんないっつーの!!


