小悪魔な幼なじみ





さっき下駄箱見たときはまだ靴があったから帰ってはないはず。

それに教室には鞄があったしね。


廉、どこに隠れてるのかなぁ…


なんて思っていると



「あれ?朝倉?」


と、声をかけられて。


足を止めて振り返れば



「………彰?」


武田 彰(タケダ アキラ)

廉と多分、1番仲の良い男の子。



「珍しいね。

いつもすぐ帰る彰がまだ学校にいるなんて」


彰は帰宅部。

いつもさようなら、と言い終わるか言い終わらないかに教室を出て1番に帰るのに。



「いや、今廉と話してたからちょっと遅くなって」


「え?今まで廉と一緒にいたの?」


「あ、うん」


ナイス、彰。

良かったよ。


これで廊下を走り回らなくてすみそう。



「廉とどこで話してたの?

今、廉探してるの」



「音楽室。

あそこ、いつも鍵開いてるからさ。


まだきっと音楽室にいると思うぞ」


彰にお礼を言ってあたしは音楽室へ走り出した。