「あ、そうだ、浩兄」
焼き鳥の串を片手に廉が言う。
「俺、ずっと疑問だったことがあるんだけど」
「おう?なんだ?」
「浩兄と香奈さんって元は…どんな関係だった?」
廉の言葉が終わると同時に浩兄と香奈さんの顔が真っ赤になる。
え?なんで真っ赤?
「廉、あんたホント…唐突ね」
光さんはそう言いながら大笑い。
ついでにうちの両親と誠司さんも。
「笑い事じゃないですって…
俺、なんか恥ずかしい…」
「私だって…恥ずかしい…」
浩兄も香奈さんも俯いたまま。
「でもなんでそんなこと聞くの?」
元はどんな関係か、なんてどうでもいいことじゃないの?
「いや、だってさ。
浩兄と香奈さんって6歳か7歳差あるだろ?
そんな年の差あって出会いってなかなかないじゃん。
コンパ…って可能性も考えたけど、
香奈さん、コンパとか興味なさそうだし。
だから、どういう関係なのかな、って。」
なるほど。
確かに出会いが気になる。
「ま、素直に白状しろよ、浩介」
お父さんがそう言うと浩兄は俯いたまま、呟いた。
「俺たちは…教育実習生と生徒、って関係だった…」


