「雫ちゃん、彼氏…できた?」
あたしの隣で盛りつけをする香奈さんが言う。
大人ってこういうこと…気になるのかなぁ。
昨日もお父さんとお母さんに聞かれたのに。
「彼氏なんていないですよ…
いたらいいんですけどねー」
あはっと笑うあたし。
「なーんだ。
そろそろ廉くんとくっつくと思ってたんだけどなぁ」
なぜか香奈さんは残念顔。
「え?!なんでですか!?
あたし、廉とくっつきませんよ!」
「それはないよ。
2人は絶対恋人になる。
そう思いますよね?零さん、水谷先生?」
香奈さんはお母さんと光さんに同意を求める。
あ、ちなみに香奈さんが光さんを水谷先生、って呼ぶのは
香奈さんは光さんの教え子だから。
ま、要するにお父さんの教え子でもある、ってことだけど。
「思う思う!
私は早くくっついてほしいよ!
雫ちゃんが廉の彼女になったら安心だもん!」
と、光さん。
「お母さんも廉くんが雫の彼氏だったら安心だなぁ」
と、お母さん。
大人って言いたい放題だね。
あたしのキモチ、知らないくせに。


