そんなこんなで12月24日を迎えた。
「いらっしゃーい!
どうぞ!どうぞ!上がって!」
うちより少し広いリビング。
いつも水谷家で開催される。
「廉とあかねは上だよー」
光さんにそう言われると優は嬉しそうに階段を駆け上がっていく。
「あれ?雫ちゃんはいいの?」
「準備、手伝います」
そう言うと光さんの顔がパァと明るくなる。
「やっぱり女の子はそうじゃないとね~
雫ちゃん、うちの子にならない?」
「やめてくださいよ、水谷先生。
うちの大事な箱入り娘なんです。
手出しは許しません!」
お父さんがあたしの腕を引っ張る。
「分かりました。
でも廉が雫ちゃんに手を出すのは許してあげてください」
光さんはニヤッと笑う。
「ヤだ!絶対許さない!
いくら廉くんでも!」
「バカじゃないの、お父さん」
あまりに必死に拒否するお父さんに冷めた視線を送る。
だいたい光さんも光さんだよ。
廉があたしに手、出したりはしないよ。
なんの保証もないけどね。


