「なんか雫、OLみたい」
「仕方ないよ、零。
それだけ雫が老けた、ってことだ」
……勝手なこと言いやがって。
このヤロウ。
「あたし、まだピチピチの中学生です!
勝手に老けたとか言わないでよ!」
思わずボウルを机に叩き付ける。
するとかき混ぜていたクリームが飛び散った。
「うわっ!」
「しずくー!
もう乱暴なことするからこうなるのよ~?」
「そうだ!そうだー!」
「うるさい!お父さんは黙ってて!」
キッとお父さんを睨んだあたしは、
お母さんと雑巾でクリームを拭く。
「ね?雫さ、今…廉くんといい感じでしょ?」
小声で言うお母さん。
「え?!いや…別にそんなことは…」
多分、いい感じじゃない。
ってか今まで通り?
「ふふふっ
大丈夫。先生には内緒にしといてあげるから」
お母さんはそう言って笑う。
一応あたし、否定したつもりなんだけど
お母さん、なんか勘違いしてる…?


