「そう言えば雫、最近元気ね?
なんかいいことでもあった?」
ボウルと格闘中のあたしにお母さんが言う。
「いいこと?
そんなのないよ!
それにあたしはいつも通りだもん」
そう。いつも通り。
何も変わってない…はず。
「そんなことないぞ?
俺は零の意見に賛成だ!
なんだ?まさか…彼氏でもできたか?!」
はぁ…
思わず溜め息。
「え?!雫!それ、本当なの?!」
あのさ、お母さん。
あたし、お父さんの言葉に肯定してないよね?
まあまだ否定もしてないけど。
「彼氏でもいたらいいんだけどね。
あたしは現在進行形で淋しい独り身です」
そう言って仲良くキッチンに立っている両親をチラッと見た。


