「雫ほどじゃないよ。
俺より絶対、雫の方がバカだから」
「廉の方がバカだよ」
「いや、雫のほうが」
「廉のほうが」
しばらくそんなくだらないやり取りをしていた。
「元気になったみたいだね、2人とも。
そろそろ教室、戻ったら?」
突然、そんな声が聞こえて。
「ほら、早く。
あと20分だけでも授業、受けなさい」
素直に先生の言うことを聞くあたしと廉。
「次からはずる休みは許さないからね?
分かった?」
「「はーい」」
2人して頭を下げて保健室を出た。
「はぁ…2人で怒られにいくか、雫」
「…そうだね」
あたしたちは教室に重い足取りで向かった。


