「あたし…別に廉のことなんて…」
愛してない、そう言おうと思った。
でも竜馬くんに遮られる。
「雫ちゃんの目には廉しか映ってない。
きっと…何年もずっと、そうなんだ。
他の人が入る隙間もないくらいに雫ちゃんは廉しか見えてない。
俺…めちゃくちゃ廉がうらやましいよ。
できれば…廉と替わってしまいたい」
「何…言ってるの?
竜馬くんは竜馬くんだし、廉は廉だよ。
替わる必要なんて…どこにもないよ」
そう言うと竜馬くんは悲しそうな目で笑った。
「それだよ、それ。
俺は俺だし、廉は廉。
そういうこと…なんだよ」
言ってる意味が…分かんないよ、竜馬くん。
あたし、バカなんだからもっと分かりやすく話して…
「きっともう少し早く、雫ちゃんと出会っていても
雫ちゃんは廉のことがスキなんだろうね。
俺が…どんなに想っても、
俺が…どんなにスキでも。」


