「朝倉?体調でも悪いのか?」
少し遅れて部活に参加。
すると顧問の先生に声をかけられる。
ちなみに廉はグラウンドをランニング中。
「え?どうしてですか?」
「顔色、良くないぞ?」
「え?ホントですか?
全然…元気なんですけどね」
元気なんだよ。
………心以外は。
「まあ大事をとって今日はもう帰れ」
「え?でもー…」
「心配すんな。部活は大丈夫だから」
顧問がそう言って笑う。
この先生…こんなに優しかったっけ?
なんて思いながらも
「じゃあ…帰ります。さようなら」
と、言って背を向けた。
いつもだったら、それでも引き下がらずに部活に参加してたと思う。
けど、今日は別。
だって…廉と顔を合わせるなんて気まずくて出来ないんだもん。
正門を通る直前、グラウンドのほうを振り向いた。
すると
「……………………っ」
キャッチボール中の廉と目が合った気がした。


