「ねぇ、雫?」


竜馬くんが転入してきて早2ヶ月。

そんなある日の出来事。



「ん?何?」


いつものように休憩時間にあたしのところへ来た梢。



「今やうちの学校は廉くん派と音無くん派に真っ二つだよ?」


「うん、そうだね。

で、それがどうかした?」


今や竜馬くんはうちの学校じゃ廉と同じくらいの有名人。


廊下を歩けばいろんなところから視線が送られてくる。

それもハートの。



「でさ、雫はどっち派?」

どっち派…?


「別にあたしはどっちでも…」


「しいて言うなら、だって!」


梢はなぜか前のめり。


なんですか…?

その妙な威圧感…



「え…あたしは…」


多分。

きっと。

いや、絶対?


あたしは…


「……秘密です、梢ちゃん」


……廉派。



理由?

そんなのないよ。


でも、どっちかを選べと言うなら

あたしは…廉を選ぶ。