「ゆうと君―!」

この声は、奈緒ちゃんだ…
「何―?」

いきなりの事だった…
「…私、ずっと隠してたの…あの時からずっと… 実は私、死んじゃうんだって!…腫瘍が頭にあるって言われたの。それで病院の先生に、余命宣告されちゃってね…それを聞いた時は、もう死にそうに胸が苦しくて、一瞬で恐怖が襲ってきて、そしたらあなたが頭にうかんできたのよ。あの時どうして本当の事言わなかったんだろって。ずっと後悔してたの…。その時、お母さんがあなたの高校を探してくれて、もう一度でいいから会いたいって思ってここにきたのよ…。」


「…え?うそだろ?だって小学校からって…あんなに元気だったし…しかも、あれから何年たってんだよ…」

「あっ!それはね、福岡に行くって言ってたでしょ?あれね、嘘よ。私は外国に行くのが夢だったの。それで私の好きな外国に行って死のうって思ってね。そしたら奇跡的に腫瘍が無くなっててね。面白いでしょ?それからはちゃんと学校とか行けたのよ?なのにそれから二年たって再発したって言われたの…。悲しいよね?」


「そうだったんだ…」

「で、余命聞かないの??」

「っえ?あっ聞く…」

「ど―しよっかなぁ―」

「なんだよ」

「やっぱり教えな―い。聞いて気絶しちゃったら嫌だもん!」

…そんなに短い命なの?……


それから、家に帰った…。

さっきあんなこと言ったけど、本当は聞きたくなかったからホッとした。けど、やっぱり気になる…どうしよう…もし、あしたもういなくなってしまったら…心臓の鼓動がはやくなる……