4月6日。始業式の日。神様…どうして時間はこんなにも早く流れるんですか?俺には先輩になる自覚も、新しい学年を楽しみにする余裕も、提出できる状態の長期課題もないのに……。つーか、なんで春休みに宿題が出るんだよ!いくら新学校だからって、新学期くらいのんびりさせてくれたっていいだろ!?
「弘也!そんな暗い顔すんなよ!そんな顔してると、幸せが逃げて行くぞ?」
「お前の顔を見てる方が、不幸になりそうな気がする……。」
「そんなこと言うなよ!俺達今日から先輩だぜ!?何でお前は喜ばないんだよ。」
「俺は先輩になるってだけでおおさわぎしてるお前の気持ちがどうにもわからん。」
「あのなあ!部活にも後輩ができるだろ?その後輩が女の子だったとするだろ?しかもその子がかわいかったとするだろ?さらに、その子が『先輩、私先輩のことが好きなんです!』とか言ってきたらどうする!?」
呆れて開いた口がふさがらない……。極度の女好きとは知っていたが……、まさか妄想壁まだあったとは……。心の距離を3km置いておこう……。
「雄土!いいかげんにしなよ!弘也が呆れた顔してるのが見えないの!?」