危険な三角関係。

こんな胸が締め付けられるような
気持ちになったのはかなり久々だった。


この気持ちになった事があったから
すぐに分かったんだ。


流は俺に気付いて抱きついてきた。


俺は、妹としても好きだけど“女”
としての流が好きなんだ。


俺は、気付いてた。


流が俺に彼女が出来たのを知った日の夜は
必ず部屋で一人、俺に聞こえないようにと
声を抑えて泣いてたのを。


俺はたとえ付き合ったばかりでも、
それを知る度に彼女と別れた。


でも、それは“妹”が泣いてるのを
聞きたくなかったから。


だけど、心のどこかできっと違ったんだ。


『じゃ、俺もう行きますんで。』


その男はそう言って居なくなった。


「誰?あいつ」


多分アイツも流の事が好きなんだろう…


アイツは俺を睨んでた。